「かかりつけ薬剤師」は“誰得”?

スポンサーリンク

2月3日の改定案、2月10日の厚生労働大臣宛答申の発表以降、「『かかりつけ薬剤師』制度、考えたヤツ…」という声が多く聞こえる平成28年度調剤報酬改定案ですが、皆さんは気になることはありませんか?

● 日薬は歓迎ムード?

それでは、まずこちらの対照的な2種類の記事をご覧ください。
・「努力していくしかない」‐南野NPhA副会長が診療報酬改定の答申にコメント(2/12 薬事日報)
 http://www.yakuji.co.jp/entry48879.html
・指導料、包括管理料を評価「今までにない新しい概念」‐山本日薬会長が診療報酬改定の答申にコメント(2/12 薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry48880.html
・日薬山本会長、かかりつけ薬剤師指導料を評価(2/11 日経DIオンライン)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201602/545778.html
上の記事は、日本保険薬局協会(NPhA)の南野副会長のコメントですが、大手チェーン薬局の会員を多く持つNPhAとしてのスタンス(自身も薬局チェーンの運営をしていらっしゃいますが)を示しています。
一方で、下の2つの記事は、日本薬剤師会・山本会長の三師会合同会見での発言の記事ですが、「かかりつけ薬剤師による加点」をとても好意的に受け取っていることが分かる記事になっています。
つまり、日薬としては、ある程度“希望がかなった”改定になった、という感触を得ている、ということです。

● 儲かるのはどこ?

「かかりつけ薬剤師」の算定要件として、「研修認定薬剤師」が突如あげられた際、「今までシール集めなんてしていなかった」「これから数ヶ月で、急いで認定薬剤師を取らなければ」という声があがりました。
ネット上では「通常2年間かかる認定薬剤師を、数日間で取得できるプロバイダがある」というニュースまで報じられるようになりました。
オンラインで研修受講シールの取得できるe-ラーニングのプロバイダも申し込み数が急増しているようです。
今回、「かかりつけ薬剤師」の算定要件としてあげられた「研修認定薬剤師」の運営は、みなさんご存知の通り、公益財団法人「日本薬剤師研修センター」です。
どのプロバイダで研修を行ったとしても、研修認定薬剤師として登録されるためには、日本薬剤師会研修センターに約10,000円の登録申請料を支払わなくてはなりません。
現在、保険薬局は約55,000件、それに対して研修認定薬剤師は約39,000人です。
全薬局が、かかりつけ薬剤師を目指すとは限らないでしょうが、「伸びしろ」としては16,000人分、つまり160,000,000円分ができたわけです。
また、3年毎の更新料(約1万円)も同様に確保できた、というわけです。
また、各プロバイダーとの契約による収入も期待できるものと思われます。
さて、この「薬剤師研修センター」ですが、民主党政権下では「天下り先」と指摘された経緯があります。
自民党政権に戻った現在、理事の構成メンバーに厚労省他OBはどうなっているしょうか…。
 →理事一覧はこちら
また、当然ながら、日薬との関係性は切っても切れないものであることは容易に想像がつくと思います。

● そもそも“かかりつけ薬剤師”って誰が言い出した?

ボクの記憶が正しければ、という前提なのですが(違っていたら、ご指摘ください!)、「かかりつけ薬剤師」という言葉は、医師会・中川副会長の中医協での発言が初めてだったと思います。
・日医・中川委員 かかりつけ薬局から、かかりつけ“薬剤師”のいる薬局に整備・再編を(ミクスonline 2015/05/28)
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/51618/Default.aspx
↑まだ「“かかりつけ薬剤師”」ではなく「かかりつけ“薬剤師”」という表現だったのですね。
この中川副会長の発言を受けて、日薬は「日本薬剤師会の中でもそうした方向展開を考えている」と、調整に入ったものと思われます。
今回、医師会からは「医1:歯1:薬0.3のバランスにこだわらない」という発言があった中で、最終的には1:1:0.3が堅持された形ですが、
 ・自民党議員との調整
 ・医師会との調整
 ・厚生局(OB含む)との調整
等々があり、win-win-win-winになった、という見方もできますね…。
ということで、4月から始まる「かかりつけ薬剤師」制度。
ボクたち現場の薬剤師たちは、「利益」など関係なく、患者さんとの信頼を一番に考えてやっていきたい訳ですが、どこかの誰かがニヤついていると思うと…やっぱり腹立たしいですね!(笑)

コメント

  1. 研修認定薬剤師要件が留保??

    平成28年度調剤報酬改定、特にかかりつけ薬剤師の話題がつきません。 このブログの記事  ・かかりつけ薬剤師は「加算要件」ではないのでは?  ・「かかりつけ薬剤師」は“誰得”? でもすでに書いてあることと矛盾したり、重複したりするかもしれませんが、現時点(2/25…

  2. 「かかりつけ薬剤師」の3つの不安

    以前からこちらのブログでも何度も記事にしている通り、平成28年度調剤報酬改定から導入される「かかりつけ薬剤師」制度ですが、その制度論や薬剤師の勤務体制への影響などが話題となっています。 ただし、その業務内容に対しては、薬剤師の職域拡大に向かっていく内容であ…

  3. プロバイダ より:

    人様に意見を公開するのであれば、言葉の意味を調べてからでないと恥ずかしいですよ。

  4. まきのり より:

    プロバイダさま
    ご指摘ありがとうございます。
    恥をかきながら、勉強させていただいています。ありがとうございます。
    今後とも、よろしくお願いします。