「レバミピド「DSEP」」にみるジェネリック業界の厳しさ

スポンサーリンク

本年12月に発売予定のジェネリックと言えば、「アムバロ配合錠」(先発品:エックスフォージ(ノバルティス))や、「セルトラリン」(先発品:ジェイゾロフト(ファイザー))を各社主力商品としていて、その他、「ラロキシフェン」(先発品:エビスタ(イーライリリー))「カムシア配合錠」(先発品:ユニシア(武田))なども発売予定になっています。
さて、そんな中、先発メーカー系ジェネリックメーカー「第一三共エスファ」の12月発売予定ラインナップの中に「レバミピド「DSEP」」(先発品:ムコスタ(大塚))があります。
rebamipide_release.jpg
えっー?今さらレバミピド??? しかもODでもなく普通錠???と思っていたので、MRさんが来られた時に早速聞いてみました!!
まきのり「12月にレバミピドも出るんですね!」
MR「よくご存知ですね!」
ま「今さらレバミピド、しかも普通錠なんて、かえって目立ちますよ(笑)」
MR「確かにそうかもしれませんね(苦笑)」
ま「でも、なぜこの時期にレバミピド、しかも、ODではなく普通錠なんですか?もともとエスファさんってレバミピドのラインナップはなかったんでしたっけ?」
MR「はい。実は、弊社はこれまでもレバミピドがあったのですが、「レバミピド「YD」」、つまり陽進堂さんの屋号で販売をしてたんです。」
ま「そうだったんですね。」
MR「はい。しかし、残念ながらイメージと言いますか・・・。陽進堂さんもジェネリックメーカーの老舗ですし、弊社からも少なくない製品を陽進堂の屋号で販売しておりまして、品質的にはまったく問題ない製品だと胸を張って言えるのですが・・・。」
ま「まぁ、確かに「YD」と「DSEP」のブランドイメージを考えると、差がついてしまうかもしれませんね。」
MR「私の立場から、どちらのブランドイメージが良いとかは言えないのですが、まきのりさんのように感じる先生が多いようなのです。私の立場からはイメージに差があるとは言えないのですが・・・。なので、弊社としては売上の伸びないレバミピドのテコ入れを図るために今回新たにラインナップすることになったようです。」
ま「陽進堂さんの顔も立てながらじゃ、大変ですねぇ・・・。じゃあ今後は「レバミピド「YD」からレバミピド「DSEP」に切り替えるんですか?」
MR「いえ、「YD」もそのまま残して、「DSEP」と2品目でやっていくことになります。」
ま「そうなんですね。じゃあ、レバミピド「YD」と「DSEP」は、中身は一緒なんですね。」
MR「いや、それが、レバミピド「DSEP」は新たに自社生産していきます。」
・・・というやり取りでした。
いやぁ、第一三共エスファさん、大変ですな!
まとめると、

・エスファでは、レバミピド「YD」がすでにあるが、売上が伸び悩んでいる
・理由の1つに、ブランドイメージがあると考えられる
・(当面は)レバミピド「YD」とレバミピド「DSEP」の2種類をラインナップしていく
・レバミピド「DSEP」は、ライセンス供給ではなく自社生産

ということになります。
さて、ここで、レバミピド「YD」と「DSEP」を見比べてみたいと思います。
こちらが従来の「レバミピド「YD」」(第一三共エスファ)。
rebamipide_yd.jpg
そして、こちらが12月に発売予定の「レバミピド「DSEP」」です。
rebamipide_dsep.jpg
エスファさんお得意の「胃」のアイコンがデザインされ、片面ですが製品名がレーザー印字(YDは刻印)されています。
今回のレバミピド「DSEP」も12月の薬価収載の際には最低薬価9.9円で収載されるわけですが、どのくらい売上を伸ばすことができるか、興味があるところですね。
この10年くらいでジェネリックの使用率はグングン伸びて、今年度にはGE60%台に到達するかもしれない、と言われています。
現在、ジェネリックメーカーは、
1)沢井製薬、日医工、東和、テバなどを中心とした「ジェネリック専業メーカー」
2)明治、持田、あすかといった「ジェネリックも作る(売る)先発メーカー」
3)第一三共エスファ、エルメッドエーザイ、サンドなど「先発メーカー系ジェネリックメーカー」
の3種に分けることができますが、その合計は40社以上あります。
こうした現状の中で、現場の薬剤師たち(ボクを含めて)が「ジェネリック製品の採用基準」とすることは何か?ということを考えてみると、

・メーカーや卸が十分な在庫を有しており、品切れが発生しないこと
・配送が充実していること(納品までの時間が短い等)
・信頼できるメーカーであること
・適応症(効能効果・用法用量)が先発医薬品と一致していること
・有効性・安全性・品質等に関する情報提供(量)が多いこと

 (日本ジェネリック製薬協会「後発医薬品の使用状況に関する調査報告書」(平成27年4月)より)
が上位を占めるというデータが示す通り、「メーカーの体制」が上位を占めると思います。
レバミピドの発売状況を見ますと、OD錠を除いても約30品目が発売されている中で、あえて「YD」、しかもわざわざ第一三共エスファブランドの「YD」を選ぶ理由はほぼ見当たらない、というのが正直な感想です。
しかも、納入価を考えても、陽進堂「YD」よりもエスファ「YD」の方が割高になるだろうことは、容易に想像がつくわけで、それなら「どうせ「YD」を採用するなら、陽進堂から」という考えになるのは至極当然のものと思われます。
また、「当面は「YD」ブランドと併売する」とのことでしたが、おそらく陽進堂とのライセンス契約残存期間の問題ではないかとも思われます。会社として、同じ製品を2つ持つメリットはありませんから、そう遠くない将来には、レバミピド「DSEP」1本になっていくものと思われます。
ここ数週間で、ようやく中医協でも「ジェネリックメーカーの数が多すぎる」ということが話題として取り上げられてきました。
老舗の中小メーカーでは、グローバルブランドのジェネリックメーカーには、おいそれと太刀打ちできない状況になりつつあり、また、どうしても「「先発メーカー」や「先発系メーカー」の方が安心かも?」というイメージがつきまとうため、この数年間で、ジェネリック業界は少し大きな再編などが起こるかもしれませんね。
そんな「ジェネリック業界の「今」」を考えさせられた「レバミピド「DSEP」」の発売事情でした

コメント

  1. “先発品も同じですよ”が流行フレーズ?

    来年4月の平成28年度診療報酬改定、調剤報酬改定の議論が深まる中で、当然ながら後発医薬品についても議論が進んでいます。 先日のニュースでは中医協でのやりとりが「後発医薬品の銘柄指定「変更不可」の処方箋が45%をしめる『異常事態』」として話題となりました。 この…

  2. 12月薬価収載・後発医薬品をめぐるエトセトラ

    さて、いよいよ明後日、11日に後発医薬品が薬価収載・発売となります。 ここへ来て、「最後のひと押し」ということで、ジェネリックメーカーのMRさんたちが、薬局に大量に押し寄せてきています。・・・こんなことしないで、毎月コツコツ来ればいいのに・・・。 さて、…