もしやシップ薬の70枚制限は…

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平成28年度の診療報酬となり、はや10日。
かかりつけ薬剤師ができたり、処方箋の様式が(ちょっとだけ)変わったりする中で、大きな影響を受けた変更の1つは、湿布薬の70枚制限ではないでしょうか。
湿布薬が1回あたり70枚に制限されることと、湿布薬の日数または1日の枚数を処方箋に記載する、ということで、「医師はちゃんと処方せんに書いてきてくれるんだろうなぁ」という期待があった訳ですが、医師がそんな診療報酬をいちいち気にするわけもなく、結構メチャクチャな処方箋が多いと話題になっていますし、ボクの薬局にくる処方箋もそんな処方箋ばかりです(笑)

● 厚生労働省にしてやられた?

まずは、3月4日診療報酬改定説明会の資料をご覧ください。
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上が医科向けの資料、下が調剤向けの資料です。
その差は一目瞭然ですね!!
医家向けの資料には、サラッと「1処方につき計70枚を超えて投薬する場合は~」「投薬全量の他1日分の用量又は何日分に相当するか~」としか記載がありません。
一方、調剤向けの資料にはご丁寧に青字で強調され、また、1日量や日数の記載例まで掲載されています。
ボクも日数や1日枚数の記載のない処方箋を受け取るたびに、最初の頃は「なんでこんなに医師は知らないのだろうか?」と思っていましたが、厚労省が資料の作り込みで差をつけていたのです…。
謀ったな、厚労省!(笑)

● 医師のペナルティにならない?

このシップ薬の70枚制限と1日量の記載は、本来、診療報酬(医科)の項目であり、
 ・外来患者に対して、1処方につき計70枚を超えて投薬する場合は、当該超過分の薬剤料を算定しない。
 ・処方せん及び診療報酬明細書に、投薬全量の他1日分の用量又は何日分に相当するかを記載する。
と、記載されています。
しかーし!!
3月25日に公布された「診療報酬請求書等の記載要領等について」では、

(3)用法及び用量は、1回当たりの服用(使用)量、1日当たり服用(使用)回数及び服用(使用)時点(毎食後、毎食前、就寝前、瘻痛時、○○時間毎等)、投与日数(回数)並びに服用(使用)に際しての留意事項等を記載すること。特に湿布薬については、1回当たりの使用量及び1日当たりの使用回数、又は投与日数を必ず記載すること。

70枚を超えて湿布薬が処方されている処方せんに基づき調剤を行った場合は、処方医が当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨について、処方せんの記載により確認した旨又は疑義照会により確認した旨を記載すること。

との2文が明示されたのです。
ということは、
(1)1日使用量、投与日数が記載されていない場合 = 不備の処方箋 = 薬剤師の確認義務
(2)70枚を超えた湿布薬の処方箋の理由の判断 = 薬剤師の確認義務
と、いずれの場合も薬剤師の確認義務となってしまうのです!
つまり、1日量や日数記載のない処方箋でも、70枚を超えた処方箋でも、医師の診療報酬規定外の処方箋ではあるものの、医師のレセプト返戻になるのではなく、薬局の確認義務が先に発生してしまうのです!!
おそらく、日数記載や70枚超過のままノーコメントでレセプトを送った場合、審査では薬局側のレセプトが切られてしまうのではないでしょうか?
謀ったな、厚労省!(笑)

● 最初からそれが狙い?

しかし、この事は、ひょっとしたら、織り込み済みだった可能性もあります。
4月1日には、湿布について疑義照会の電話が鳴りっぱなしだった病院も少なくない、との話です。
いくら厚労省が、医科向けに説明をしたところで、お忙しい医師はそんなのお構いなしだったりします。
特に、レセプトに関わっていない医師は、そういう所まで気が回らないと思います。(薬剤師もレセプトに関わっていない薬剤師は無頓着ですね、ハイ。)
狙いの1つとしては、疑義照会がジャンジャン入ることで、こんなに面倒くさいなら、最初からちゃんと70枚に収めるわ、というところに落ち着かせるためなのかもしれません。
だとしたら、そんな仕事のために、そんな医師のために、薬剤師が必死の思いで疑義照会して
「湿布が必要だから出してるんだろ!だから薬剤師はバカなんだ!」
と、医師に怒鳴られてしまうのは、かなり理不尽な気持ちで一杯です…。
これも策略ですか?厚労省!