ジャヌビア錠剤形状変更の背景とは?

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DPP4阻害薬、ジャヌビア(MSD)/グラクティブ(小野薬品)(シタグリプチン)の50mgの錠剤のデザインが変更されることになりました。

ジャヌビア錠剤形状等変更のご案内(MSD)
グラクティブ錠50mg割線錠(新剤形)新発売のご案内

ざっくり言うと、横長になって割線が入ったということです。

ジャヌビア/グラクティブには12.5mg/25mg/50mg/100mgの4規格がある訳ですので、50mg錠を半割するよりは、25mg錠を処方すればいいだけのになー、と思うのではないでしょうか。

楕円・活線入り50mg錠は日本だけ

上記のようにジャヌビアに4規格あるのは日本だけで、2009年12月のジャヌビア発売から4年後の2013年11月に12.5mg錠が追加規格になったという経緯があります。

その12.5mg錠発売の前に「重度腎機能障害の患者」への投与が可能となり、2013年8月に25mg錠に割線が入りました。

●ジャヌビア25mg錠(~2013年8月)≒海外仕様

●ジャヌビア25mg錠(2013年8月~)=日本仕様

今回の50mg錠の剤形変更も同様に“ニッポン仕様”の錠剤となっています。

(MSD社・ 錠剤形状等変更のご案内より)

ちなみに、メルク版のジャヌビア50mgは、こんな感じです。

「112」の刻印はメルクのナンバーなんですね!

ということで、グローバルなMSD(メルク)としては、わざわざ日本のみ向けに「楕円・割線入り」の錠剤を製造していることになります。

キーワードは「腎障害」と「1品目1規格」の採用ルール

今回の錠剤形状変更のキーワードは、2013年同様「腎障害」です。
2009年にファースト・イン・クラスとして「DPP4阻害薬=ジャヌビア/グラクティブ」という大きなシェアを獲得したシタグリプチンですが、その後続々と発売されたDPP4阻害薬に追い上げられることになりました。

特に、トラゼンタ(リナグリプチン、ベーリンガーインゲルハイム)やテネリア(テネリグリプチン、田辺三菱)など「腎障害患者でもワンドーズでOK」という手軽な投与方法を謳う製品群は、高齢者を多く診察する病院や診療所で大きくシェアを伸ばしてきました。

逆に、腎機能に応じて細かな用量調節が必要なジャヌビアは敬遠される傾向になってきました。

そして、ジャヌビア/グラクティブにとって、もう1つの大きな壁となったのが「1品目1規格」(1成分1品目)という病院の採用薬ルールです。

現在、大手の病院を中心に、オーダーミス(処方ミス)防止策/調剤過誤防止策として、「1品目1規格」というルールが採用されてきています。

上記のように、腎機能の評価により25mgへの減量が必要なジャヌビア/グラクティブでは、通常量である50mg錠を採用してしまうと、腎機能が低下してきた時に、(1)半割するか、(2)変薬するかの2択しかなくなります。
これまでの50mg錠には割線がありませんから、半錠(0.5錠)の処方の場合には、薬剤部等から難色を示されることもあると思われます。
そうなると、医師としても腎機能悪化が懸念されるような患者には、シタグリプチンを投与しにくくなることが考えられます。

ということでMSDとしては、簡単に半割して25mgとして服用できるようにするための改良を行うことで、これまでシェアを奪われつつあった、腎機能障害患者や高齢者が多い病院でもシェアを維持し続けたい、という思惑があると考えられます。

…というわけで、“ニッポン仕様”の楕円+割線入りとなる50mg錠ですが、MSDの思惑通りDPP4阻害薬のリーダーの位置を維持できるのかどうか、注目ですね!

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コメント

  1. […] (シタグリプチン、MSD)/グラクティブ(小野)錠剤形状変更の理由について書きました(ジャヌビア錠剤形状変更の背景とは?)が、もう1つ、錠剤形状が変更される薬剤があります。 […]