デュロテップMTパッチ その3

スポンサーリンク

さて、初めての麻薬処方箋を受け取った、その後の経緯です。
患者さんに、電話で「後発品の納期は来週になってしまいますが、どうされますか?」と尋ねると、
「昨日貼り替えて、もう予備がない。日曜日に貼り替えないといけない」とのこと。
後発品の「フェンタニル3日用テープ」の名前の通り、3日間(約72時間)に1度貼り替える
必要があるため、切らしてしまう訳にはいきません。
患者さんは、「後発品に切り替えると、いくらくらい違うの?」とのこと。
早速、計算すると…
デュロテップMTパッチ8.4mg:6538.9/枚
フェンタニル3日用テープ8.4mg「HMT」4337.4/枚
ですので、20枚(=約2ヶ月分)で、3割負担ですと、
デュロテップ:約40,000円
フェンタニルHMT:約27,000円 (いずれも調剤料こみ)
になります。患者さんに金額を伝えながら、13,000円の差は大きいなぁ、と思い、
「後発品の方を他の卸でも入荷できないか、探してみます。他の卸でも入荷できない場合は、
申し訳ありませんが、治療優先で、先発品を仕入れさせていただきます。」とお伝えして
電話を切りました。
さて、早速他の卸に電話をしてみましたが、結局、どこの卸でも「フェンタニルHMT」は
すぐに入荷できない、ということでした。
そして、そんな中、新たな問題が浮上しました。
卸さんとの会話の中で、「ちなみに、デュロテップは、「癌性疼痛」ですか?「慢性疼痛」ですか?」
と尋ねられました。
そうなんです!処方箋を受け取った時に、デュロテップMTパッチの下に「慢性疼痛」の
文字があるなー、と思っていたのです。
「慢性疼痛です。」と答えると、「おそらく、慢性疼痛は「デュロテップ」が追加で承認を得た
効果なので、後発品の「フェンタニルHMT」では適応がないと思います。」とのことでした。
さっそく、添付文書をみると、確かに、「デュロテップMTパッチ」には、
・中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
・中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛
の2種類がありますが、後発品の「フェンタニルHMT」には、
・中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
の1種類しか記載がありません!
さらに調べていくと、「慢性疼痛(非癌性疼痛)」に「デュロテップMTパッチ」を使用する
場合には、ヤンセン社の「慢性疼痛治療に関するトレーニング(e-learning)」を受けた
医師であるかどうか?を確認しなければならないのです。
という訳で、結果的には、在庫の都合もあり、患者さんには先発品をお渡しすることになりました。
いつもと変わらないような、1枚の処方箋でしたが、本当に多くのことを学んだ処方箋でした。
※後日談
ちなみに、その患者さんは、リウマチによる疼痛がひどく、デュロテップを使っていらっしゃいました。
また、適応の無い「フェンタニルHMT」に切り替えることができるかどうか?、国民健康保険組合に
問い合わせをしたところ、「Dr.の許可があれば、適応外であっても切り替えることも可能」との
回答がありました。(残念ながら、その後Dr.から、変更の許可を得ることはできませんでした。)

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする