フルービックHAが生産見合わせ?

スポンサーリンク

カントー地方…じゃなく、関東地方がようやく梅雨明けしたようですが、製薬業界は早くもインフルエンザの準備です。
今シーズンのインフルエンザワクチンの選定株は次の通りです。

○2016/2017冬シーズン
A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
★A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

昨シーズンに引き続き今年も、A型2種、B型2種の4価ワクチンです。
昨シーズンと比較すると、★印をつけたA型(H3N2型)がWHOの勧告を受けて、昨シーズンの
(2015/16) A/Switzerland(スイス)/9715293/2013(NIB-88)(H3N2)
から変更になっています。

● 昨シーズンからの「4価ワクチン」は効果あった?

昨シーズンからB型が1種→2種へ増えたインフルエンザワクチンでしたが、その効果はあったのでしょうか?
昨シーズンと、それまでのインフルエンザの流行状況のグラフが国立感染症研究所のホームページで見ることができます。(こちら
influenza2015-16.png
昨シーズン(赤)は、H1N1のA型と、B型が流行していたことが分かります。
また、「今年はインフルエンザの患者さんが途切れないなぁ」と感じていましたが、グラフを見ると13週以降=3月下旬以降も流行が続いていたことが、よく分かりますね。
ただ、B型が他のシーズンと比較して罹患者数が多く、4価ワクチンの効果は、微妙だったのかもしれません。
4価ワクチンになった分、ワクチン摂取料金が1.5倍程度に跳ね上がったのも影響があったのかもしれません。

● 「化血研」の影響?「フルービックHA」が生産見合わせ…

インフルエンザワクチンを製造している製造元は、阪大微生物病研究会(阪大微研)、北里第一三共ワクチン株式会社(北里)、デンカ生研株式会社(生研)、そして化学及血清療法研究所(化血研)です。
しかし、化血研は昨年末からの営業停止処分の影響に加え、4月の熊本地震による工場の被災によって、インフルエンザワクチンの生産量に影響が出ることが予想されています。
そのため、インフルエンザワクチンの安定供給を図るため、阪大微研・北里・生研の3社が増産を行っています。
その影響を受けてか、阪大微は早々に「フルービックHA」の生産見合わせを決めました。(ニュースリリースはこちら MSD版田辺三菱版
info_iha_201606.jpg
「フルービックHA」は、保存剤であるチメロサール(エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム)や、添加剤・ホルマリン(ホルムアルデヒド)、分散剤・ポリソルベート80を含まない唯一のインフルエンザワクチンでした。
特にチメロサールは、発疹や紅斑、発熱などの過敏症症状の原因になることが指摘されており、小さなお子さんを持つ敏感な保護者の方から、絶大な支持を得ていました。
厚労省は、「インフルエンザワクチンの十分な供給量は確保できる」としていますが、内情としては、昨シーズンのストック分+化血研以外の増産分で、ギリギリ昨年と同程度の供給量、というのが実情のようです。
ということで、今シーズンの「フルービックHA」の生産見合わせによって、
1.昨シーズンの在庫の「フルービックHA」を摂取させてくれる医院へ
→ただし、使用期限は1年間なので限界あり
2.輸入品(国内未承認)のチメロサールフリーの摂取をしてくれる医院へ
3.接種を見合わせ
などが、考えられます。

● 大流行が恐ろしい…

さて、「フルービックHA」の生産見合わせによって、インフルエンザワクチン接種を見合わせる子どもたちが増えた場合、インフルエンザの大流行が起こる可能性があります。
特に、この数ヶ月の週刊誌の記事のように「インフルエンザワクチンが危ない!」と、マスコミに煽られてしまうと、その影響力は計り知れません。
また、その前に、ワクチンの安定供給が約束されていない状況下で、オリンピックなどを契機に、パンデミックが起きた場合、大パニックに陥る可能性もあります。
来年の春頃、この記事を読んで、「あぁ、あんな心配してたなぁ」なんて笑えるといいのですが…。