ラスボス出現で沸いた日経DIのインタビュー

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今月号(2016年5月号)の日経DI、思わず吹いてしまいました。
先月号と今月号の日経DIのインタビューは、完全に「狙って」ますよね!?
…っていきなりすみません。ちょっと興奮してしまったので(笑)

● 打倒日調!の旗振り役?

まず、先月号(2016年4月号)のインタビュー記事は、厚生労働省保険局医療課薬剤管理官 中井清人氏のインタビュー記事でした。
今回の調剤報酬改定で、大手チェーンへの算定ハードルをドンッと跳ね上げたと噂されている方ですね。いわば、今回の改定の旗振り役の1人だったと目される方です。
そもそも、第2次安倍改造内閣で塩崎氏が厚生労働大臣になり「病院の前の風景を変える」と調剤薬局大手チェーンへの牽制をしていたわけですから、その担当である中井氏が厚労相の意向を汲み、今回の改定でそれを落とし込んでいった、と見れば、事務方として最高の仕事をされた、と見ることもできると思います。(偉そうに語ってますね、ボク(笑))
インタビューの中では「薬局や薬剤師がモチベーションを落とさずに頑張っていける改定にする必要がありました。」とあるように、大手チェーンの利益確保へのハードルを上げながら、個々の薬剤師のモチベーションが落ちることのないよう、配慮をしてくれたことも読み取れます。
経歴を読んで、ご自身が薬学部卒業とのことで、薬剤師としての使命について考えられているからでしょう。
(ただし、今回の改定が「実際に」ボク達のモチベーション維持につながったかどうかは、別問題ですが(笑))

● 担当官が思い描く「かかりつけ薬剤師」の風景

中井氏は、かかりつけ薬剤師について
「かかりつけ薬剤師の制度は非常に丁寧に育てていかなければならない」
「最初のステップとしては、丁寧に説明して、きちんと理解が得られた患者だけに算定し、その患者から高い評価を得ることが不可欠です」
「既に顔の見える関係にあり、薬剤師が行っている業務を理解してもらっている患者さんがいれば、算定できない報酬ではないと考えます。」
と、「顔なじみであり(なってきて)、信頼関係ができている(できてきた)薬剤師と患者さん」に算定すべき、と考えていることが読み取れます。
元来「かかりつけ薬剤師」は中井氏が語っているように「信頼関係ができている薬剤師」を患者さんが「かかりつけ薬剤師」と認識することであると思います。
この「かかりつけ薬剤師」制度の失策の1つは、それを「加算の“名称化”」してしまった点でしょう。
「パート薬剤師は“かかりつけ薬剤師”になれないの?」という悲痛な声が、あちこちから聴こえたように、本来の(広義の)「かかりつけ薬剤師」と、加算の(狭義の)「かかりつけ薬剤師」が同じ名前になってしまった点が非常に残念です。(例えば、「担当薬剤師指導料」みたいな名前だったら、今回のかかりつけ薬剤師制度への批判も2割くらいは減ったかもしれません(笑))
しかし、その「名称化」の失策を除けば、中井氏の考え方は、現場の薬剤師から見て至極納得できる内容である、と読めた4月号のインタビュー記事でした。

● インタビューに垣間見える日調の余裕?

さて、そんな日経DI先月号中井氏のインタビューが印象に残っていたところ、今月号(2016年5月号)のインタビュー記事は、なんと、ターゲットであったと思われる、日本調剤(株)代表取締役 三津原博氏へのインタビューでした。
いきなりラスボス出現!(笑)
日経DI、グッジョブ!!ですね(笑)
では、三津原氏へのインタビューの内容どうか、と言えば、
(全体の3割の薬局が、調剤基本料2・3となってしまうことから)「今改定の経営へのダメージはそれなりにある」としながらも「これまでも、1つ1つハードルを越えてきましたので、ハードルが高くなったからといって越えられないとは思いません。」
「今改定からは、“不適切な薬局”をふるい落としていこうという国のメッセージが読み取れます。日ごろから「不適切でない」と主張している当社だからこそ、挑戦しなければいけない。」
として、「1年で減収をカバーする」と語っています。
思い起こしてみると、「大型チェーン排除」の流れの中であっても、調剤基本料2・3からの“脱出ルート”(かかりつけ薬剤師が5割以上+かかりつけ薬剤師指導料を月100回以上)が設定されているという点で、中医協の委員の中でも「大型チェーンへ配慮する」委員がいるのかもしれない、と考えられていました。
一時的な減収を乗り越えられる資金と、人的余裕、そして、中医協委員などの「人脈」(というかコネ)こそ、大手チェーンの強みなんだろうなぁ、と痛感せざるを得ないインタビューでもあります。
そもそも「日頃から「不適切でない」と主張している当社」とサラッと言いのけてしまうところに、自信が溢れていると思います。さすがラスボス(笑)

● かかりつけ薬剤師の捉え方の違い

そして、中井氏が「丁寧に説明して、きちんと理解が得られた患者だけに算定し、その患者から高い評価を得ること」が重要と語った「かかりつけ薬剤師指導料」ですが、それに対し三津原はこう語っています。
(月100件以上の同意はハードルが高いので)「現時点では取り立てて目標に掲げていません。」
としながらも
「当社では4月1日から全店舗で、「これから1人の薬剤師が1人の患者様を担当させていただきます」というように説明を始めており、現在、1日に約1000件のペースで患者さんから同意を頂いています。」

まさに、タマゴが先か、ニワトリが先か、という発想の違いですが、三津原氏は「「かかりつけ薬剤師を決めていただく」こと自体を薬局(というか会社)主体でやっていこう」というスタンスですね。
中井氏が「調剤報酬というのは、現場が既に取り組んでいることに対する評価であって、報酬をドライビングフォースにするという考え方はそぐわないのですが、かかりつけ薬剤師指導料と包括管理料は今後の薬剤師や薬局のあるべき姿を追い掛けた点数になっています。」と、語っていますが、まさしくこの中井氏の言葉を地で行くように「かかりつけ薬剤師指導料を“現場が取り組んでいること”にしてしまおう」という姿勢には感服できるものがあります。
これだけの発想と行動力があるからこそ、ナンバーワンになれるのであり、ターゲットにもされる、と見るべきでしょう。
…でも、素朴な疑問…日調さんの店舗で、どのくらいの割合が、かかりつけ薬剤師指導料の施設基準届出が受理されたのでしょうか?
かかりつけ薬剤師指導料が算定できなくても「かかりつけ薬剤師:日調太郎」とお薬手帳の表紙に貼ってあれば、それを持参された別の調剤薬局では、かかりつけ薬剤師の同意を取りに行くのをためらってしまいますね。
そうしている間に、施設基準を満たして、しっかり加算を始める…なんて作戦なのかもしれません…
さて、今回は、日経DIのチャレンジングなインタビュー記事を読み比べてみましたが、インタビュー記事だけでこれだけ盛り上がって記事を書けるのって面白いなぁ、と思いました。
普段は「ふーん」って読み流してしまう記事も少なくないので(^_^;)、これからもチャレンジングな記事を、ぜひ続けてほしいと思います!!
…てか、日調さんは、かかりつけ薬剤師の施設基準の合否を分析しているんでしょうから、都道府県による基準の差や、薬剤師会に入会しなくても施設基準を取るノウハウを知っているはずですよね…その情報が一番興味があったりして…ゴクリ(笑)