先発品への先祖返り? 後発医薬品促進プランの失敗

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今月12日に公表された診療報酬改定(中医協答申)「平成26年診療報酬改定についての答申(速報)」を参照 ですが、後発医薬品をめぐって、新たな動きが出ています。
今回、後発医薬品調剤体制加算は比率計算の分母を、(後発医薬品の方が薬価が高いものなどを除いて)後発医薬品の存在する医薬品、とすることになりそうです。
旧基準と新基準の比較はこんな感じのようです。
(旧)加算1(5点) 22%~30% → (新)34~45%(加算なし 0点) =▲5点
(旧)加算2(15点) 30%~35%→(新)46~55%(加算なし 0点) =▲15点
(旧)加算3(19点) 35%~42%→(新)55~64%(加算1 18点) =▲1点
(旧)加算3(19点) 43%~  →(新)65%~(加算2 22点) =+3点
ということで、これまでこれまで加算2をとっていた薬局が一番大きな減点(15点)となります。
また、加算1の薬局の-5点も小さくありません。
ここで経営側から考えるのは、この失われる15点(あるいは5点)をどうやって補うか?ということになります。そして考えられる方法は2つ。
1つは、厚労省のかかげるニンジンに必死にくらいつき、新基準で55%以上を目指す方法。
努力せずに、旧基準で30%取れているのであればそれほど難しい数字ではないと思います。
逆に、必死にもがいて、なんとか加算2とっている薬局(30%ギリギリの薬局)は、この加算を諦めて、先発品に戻すことで、薬価差益で利益を出す方法が、今急浮上しています。これが2つ目の方法です。
どうせ加算が取れないなら、後発医薬品なんか薦めずに、先発メーカーの高い薬(といっても後発医薬品が出ている先発医薬品は、今回の薬価改定で、かなり薬価が下げられる予定のようです。)を使って、その差益で収益を賄おう、という魂胆です。
先発品が1錠200円、後発品が1錠100円、仕入れ値90%、30日処方で試算してみましょう。
・先発品の場合 200円×90%(仕入れ値)×30=600円の利益
・後発品の場合 100円×90%(仕入れ値)×30=300円の利益
当然ですが、300円の利益差が出てきます。
すると、加算2→加算なしになってしまった-15点(=-150円)を補ってあまりある利益になってしまいます。
実際、これを嗅ぎつけた先発メーカーは、今こぞって薬局廻りをして、「先発品に戻した方が、薬局の利益になる」「何より、信頼性・安定流通は先発メーカーの方が上」「薬価が大きく下がるので、患者さんへの負担も対して変わらない」という、メリットを並べて、先発品へ戻すよう攻勢をかけてきています。
現時点での見方でしかありませんが、「更に後発品の使用を推進する」という目標を掲げて設定された今回の指標は、完全に失敗しているように思います。
お薬手帳が不要な場合の算定も、しかり。
東日本大震災の際のお薬手帳の活躍が認められて、普及し始めているところに水を注す改定だと思います。
今回の改定内容には、まったく納得がいきませんが、そんなことは患者さんには一切関係ありませんから、うちの薬局ではこれまで通り、金銭的な負担を気にされる患者さんへはジェネリックを、信頼性や新薬開発への敬意を重視される患者さんの意向は尊重して先発品を調剤していくつもりです。
国・薬局・メーカーのそれぞれの思惑が入り混じる診療報酬改定、真に患者さんの健康につながる医療を目指してほしいものです。

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