“先発品も同じですよ”が流行フレーズ?

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来年4月の平成28年度診療報酬改定、調剤報酬改定の議論が深まる中で、当然ながら後発医薬品についても議論が進んでいます。
先日のニュースでは中医協でのやりとりが「後発医薬品の銘柄指定「変更不可」の処方箋が45%をしめる『異常事態』」として話題となりました。
この「医師がジェネリックの銘柄を指定するのが是か否か」という話題は、改めて書きたいと思いますが、今日は、ジェネリックをめぐるやり取りのなかで、ここ半年くらいで急に耳にするようになったフレーズについて考えたいと思います。
そのフレーズがこの記事のタイトルになっている
「先発品も同じですよ」

です。
少し前までは、ジェネリック業界での謳い文句は、
「安心してください!先発品と同じですよ!
だったかと思うのですが、ここ最近は「先発品も同じですよ」が(ボクの気のせいかもしれないのですが)よく聞かれるようになったように感じます。
先日の記事にも書いたとおり、大手ジェネリックメーカーや先発系メーカーの台頭、そして後発品メーカー同士の共同開発によって、ジェネリックの質はかなり向上してきたと思いますが、それでも、新規にジェネリックを採用する場合には、添付文書やMRからの情報で、体内動態や添加物の違い、原薬の原産国・ダブルソース化などを確認して、薬局として・薬剤師として、患者さんに胸を張って安心して切り替えていただける後発医薬品を採用をしていくよう心がけています。
その一方で、「ジェネリックに変えたところ、効き目が違う気がする」という患者さんからの訴えや、「ジェネリックにしてから症状が良くないので、先発に戻す」という医師からの指示を受ける場合が、しばしば起こります。
そうすると、やはりデータだけでは表れない「何か」が、先発品とジェネリックの間にあるのではないか?と考えることがあります。
そうした疑問や原産国についての不安をジェネリックメーカーのMRに質問した場合の答えや、後発医薬品についての講演会での講師からの話に出てくるのが「先発品も同じですよ」というフレーズです。
「先発品も普通錠からOD錠に変えたら、添加剤が変わったりしますし「元に戻して欲しい」という方もいらっしゃるでしょ?先発品も同じですよ」
「先発品もロットによっては、溶出率や崩壊性にややバラつきがあると思いますよ。それでも溶出試験に適合している範囲の分は問題なしとして出荷しているワケで、先発品も同じですよ。」
「後発品の体内動態と標準品の体内動態の違いは、被験者の個体差や、標準品のロットの違いもあります。それは、先発品がロットや時期を変えて試験をやったら、全く一緒になることはありえませんよ。先発品も同じですよ。」
「先発品も、原産国をオープンにしていなかったり、ダブルソース化してしていない医薬品もたくさんありますよ。先発品も同じですよ」
などなど…
言われてみれば、その通りなのかもしれません。
しかし、1つ1つ細かく考えてみると、うまく議論がすり替えられているような気がしてきませんか??
まず、体内動態のデータですが、体内動態はクロスオーバーで試験をしている場合が多く、「個体差」や「体調の変化」の一言で片付けられる問題ではないかと思います。
生物学的同等性が認められる(90%信頼区間の80%~125%)の範囲内に収まるにしても「やや低い(高い)傾向にある」という事実には変わりはない訳で、それを「標準品も同じことが起こり得ますよ」というのは、議論のすり替えにすぎませんよね。
また、「先発品も原産国を明らかにしていない」という点でも、「先発品は患者(または採用する薬剤師)にとって選択肢がない」のに対し、「後発品は少なくとも薬剤師、場合によっては患者にとって選択肢がある」という点で、違いがあるのです。
「先発品も同じですよ」
と言えば、「あぁ、そうかもしれませんね」と、話が収まりやすいことで、最近このフレーズがよく使われることになったのかもしれませんが「『本当に』先発品も同じことが言えるのか」ということを、しっかり考えていかなければいけないと思いますね!
#念のために付記しますが、ボク自身は後発品を適切に利用していくことには賛成です!

コメント

  1. ジェネリックに秘められたダークサイド!?

    あれこれ書きたい記事がたまっていたのですが、あまりに書きたいことが多すぎて、逆に書けないという情けない状況になっていて、久々の更新になってしまいました。 ちょっと気を取り直して、簡単に書けるLiteな内容から書いていきたいと思います。 Liteな内容ですが、タイ…