医師に読んでもらえる添付文書を!?

スポンサーリンク

ご存知の方が多いと思いますが、厚生労働省から、添付文書の様式の変更案が出され、パブリックコメントの受付が行われています。
添付文書の記載要領が20年ぶりに改訂へ (日経DIオンライン)

● 「原則禁忌」など曖昧な表現が改善

厚労省の改定案をみると、

(1) 項目の通し番号の設定
 ・「警告」以降の全ての項目に番号を付与、記載すべき内容がない項目は欠番とする
 ・「使用上の注意」に該当する項目は項目番号で定義する
 ・「効能又は効果に関連する使用上の注意」及び「用法及び用量に関連する使用上の注意」を項目及び項目番号に含める
(2) 「原則禁忌」の廃止
  ・「原則禁忌」は廃止し、「禁忌」又はその他の適切な項へ記載することとする
(3)「慎重投与」の廃止
 ・「慎重投与」は廃止し、「特定の患者集団への投与」など、その他の適切な項へ記載する
(4)「特定の患者集団への投与」の新設
 ・「高齢者への投与」、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」、「小児等への投与」を廃止
 ・「特定の患者集団への投与」を新設し、「妊婦」、「生殖可能な男女」、「授乳婦」、「小児等」、「高齢者」、「腎機能障害患者」、「肝機能障害患者」等の項目に分けて記載
(5)「副作用」に記載する事項
 ・ 記載されている副作用の臨床的意義をわかりやすくするために、発現頻度の高い副作用や投与の継続に影響を及ぼす主な副作用がある場合は、必要に応じて「副作用」の前段に概要として記載する
(6)その他
 ・薬発第606号及び薬発第607号を合わせ、一つの通知とする
 ・ 添付文書に記載されるべき内容について、全体的な整理を行う

が主な改正内容案となっています。
「原則禁忌」は、「禁忌」でありながら、医師の裁量や治療上の優先順位によって使用しても差し支えない場合がある、という内容でしたが、薬剤師としては、どこまで疑義照会が必要であるか、などかなり判断に迷う項目でしたので、そうしたものが「禁忌」と「慎重投与」のどちらかに振り分けられるのは、かなり負担軽減になるように思います。
また、「高齢者」「妊婦・授乳婦」「小児」というくくりから「特定の患者集団への投与」というくくりに移行されるということで、米国・FDAなどのような運用に近づくことになります。
そう遠くない将来、日本においても、人種の多様性が問題になる可能性もあり、そうした場合への対応もできやすくなるのではないでしょうか。

● “保険給付上の注意”が画期的!?

今回の案では、上記のような内容がクローズアップされていますが、ボクが気になったのは、
医療用医薬品添付文書の記載要領改訂案に係る意見の募集について
●別添2
医療用医薬品の記載要領(案)(課長通知)
「医療用医薬品添付文書の記載要領について」(平成九年四月二五日付け薬安第五九号厚生省薬務局安全対策課長通知)

の中で、新設される案である「25.保険給付上の注意」ですね。
奇しくも(?)この4月の調剤報酬改定での「かかりつけ薬剤師」の施設基準要件で、「厚生局における対応に地域間の違いがある」ということが詳らかにされてしまった訳ですが、同じく保険請求審査についても地域間の差が大きいと言われています。
最近では「レビー小体型認知症患者へのドネペジルの少量(3mg)投与への保険請求の妥当性」などが話題になりました。
この「保険請求上の注意」について一定の記載があることによって、その地域間の差などが減ったり、不適切処方の防止につながり、患者さんの治療にプラスになるといいな、と思います。

● だが、果たして、改定されて医師が読むかどうか?

さて、薬剤師として、日常業務で時々感じるのは「この処方医は、果たして添付文書を読んでいるのか?いないのか?」という疑問です。(古文では「いや、ない」と補われるアレですね。)
医師の講演会などでは「会場の(医師の)先生方もそうでしょうけど、添付文書なんか、いちいち読んでるヒマなんかないわけです。」と、公言される医師も少なからずいるわけで(しかも、それを聞いて頷いている医師も多いです)、「添付文書を読まないんだったら、こっちで疑義照会するから、せめてそれに耳を傾けてくれ」とも思うわけです。
話を戻すと、せっかく添付文書の内容を改めても、処方元の医師に読んでもらえないと、不利益を被るのは患者さんになってしまいます。
少なくとも「禁忌」「用法・用量」「重大な副作用」くらいは、目を通して欲しいものです。「簡潔」に「最低限」の情報をまとめた「要約版」の添付文書などもあると、ちょっとは医師も読んでくれるのかなぁ?と思いますが、結局、読まない医師は読まないんでしょうね…。
なんとか、医師も「必要最低限」のところを読みやすい添付文書になって、足りない部分をインタビューフォームやRMPで補うという形がいいなと思いますね。
パブリックコメントは、7月15日まで受付中です。
現場目線での意見を届けるチャンスですね!

コメント

  1. 通りすがりの医療系 より:

    「用量・用法」⇒「用法・用量」
    「RPM」⇒「RMP」です。
    薬剤師なのですから,貴方こそ,ちゃんと読んで下さい。

  2. まきのり より:

    通りすがりの医療系さん
    ご指摘ありがとうございます。
    お恥ずかい限りです。
    早速訂正させていただきました。
    ありがとうございました。