発売前に知っておきたいメトホルミンMT

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メトグルコのジェネリックを採用・開封・変更する前に、ぜひご一読ください!
6月19日、平成27年6月薬価基準追補収載として、
・クロピドグレル;プラビックス(サノフィ)
・ゾルミトリプタン;ゾーミッグ(アストラゼネカ)
・ナフトピジル;フリバス(旭化成)
・メトホルミンMT;メトグルコ(大日本住友)
・レトロゾール;フェマーラ(ノバルティス)
などが薬価収載されます。
今回の後発品に関しては、ずっと主役はクロピドグレル(プラビックス)です。
先発品であるプラビックスと、AG(オーソライズド・ジェネリック)であるクロピドグレル「SANIK」、その他の後発品のそれぞれの適応違いや、当初クロピドグレル(プラビックス)の結晶多形による生物学的な同等性の担保についてが話題にのぼっていました。
ところが、このクロピドグレルの結晶多形についての問題が一段落したところで、ある伏兵が登場しました。それが、メトホルミンMTです。
そこで、ボクのブログでも2回記事にしました。
・メトグルコの後発品対策は?メトホルミンMTの薬価は?(2/26)
・メトホルミンMTへの取り組みで薬局・メーカーの姿勢がわかる?(6/2)
さて、発売前日の今日は、発表になった薬価と最新の情報を基に、 あ゛~っ!採用しちゃった~!! となる前に、抑えておきたいポイントをまとめてみたいと思います。

●薬価と患者負担

(250mg錠についてのみ考えていきます。)
まず薬価の確認です。
 ・メトグルコ250mg:10.2円
 ・メトホルミンMT250mg:9.9円
今回は、既存の同成分(グリコランとそのジェネリック、いずれも9.6円)があり、メトホルミンMTは、最低薬価の9.9円が設定されました。
つまり、薬価差は0.3円/錠となります。
では、患者さんの負担はどうなるのでしょうか?
●標準用量:750mg
 ・メトグルコ250mg 3錠:10.2円×3錠=30.2円=3点
 ・メトホルミンMT250mg 3錠:9.9円×3錠=29.7円=3点 ※差額なし
●標準高用量:1,500mg
 ・メトグルコ250mg 6錠:10.2円×6錠=61.2円=6点
 ・メトホルミンMT250mg 3錠:9.9円×6錠=59.4円=6点 ※差額なし
●最高用量:2,250mg
 ・メトグルコ250mg 9錠:10.2円×9錠=91.8円=9点
 ・メトホルミンMT250mg 3錠:9.9円×9錠=89.1円=9点 ※差額なし
ということで、最高用量でもメトグルコ→メトホルミンMTに変更したところで、患者さんの負担は変わりません。
(※500mg錠を使用した場合は、患者さん負担額は下がります)

●薬局側の対応・対策は?

メトホルミン(メトグルコ)は患者さんの服用量が多く(1日3錠~9錠)、採用薬局においては、クロピドグレル(プラビックス)を変えるよりも、「後発品調剤率」への寄与は大きくなります。
今回、プラビックスは適応症相違の問題があり、なかなか積極的に後発品に変更しにくい雰囲気が広まっている中で、後発医薬品調剤体制加算1または2の算定条件に追われている(あるいは狙っている)薬局にとっては、是が非でも後発医薬品に切り替えたい品目と言えます。
しかし、切り替える先の患者さんにとっては、上記の通り負担金は変わらないため、「後発医薬品に変えても、金額が変わらないのでは、先発のままがいい」と言われかねない状況です。
そこで、薬局側としては何らかの対応を考えておく必要があると思います。
(1)後発率の精査
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」で、「何錠を先発→GEに変えれば、加算要件をキープ(クリア)できるのか?」をしっかり把握しておくことが重要です。
(2)500mg錠への変更
上記の通り、メトグルコ250mg→メトホルミンMT250mgへの変更では、患者さんの負担は変えられませんが、
 ・メトグルコ 250mg 6錠 → メトホルミンMT 500mg 3錠
 ・メトグルコ 250mg 9錠 → メトホルミンMT 250mg 3錠 + 500mg 3錠
 であれば、処方元Dr.の了承を得ることなく、薬局で変更が可能、かつ、患者さんの負担を大きく減らすことが可能です。
また、
 ・メトグルコ250mg 3錠 → メトホルミンMT500mg 1.5錠
 ・メトグルコ250mg 9錠 → メトホルミンMT500mg 4.5錠
なんてウルトラC(!)も可能です。(患者さんが半割で飲んでいただくことをご了承いただけるか?が前提ですが。)
※ただし、250mg2錠→500mg1錠、と「数量ベース」では半数量になるため、後発品調剤率としては数が伸びにくくなりますので、注意が必要です。
(3)メリットのある250mg錠の採用
今回、OD錠などの製剤工夫が施された後発品はありません。そのため、後発品に切り替えた時のメリットの訴えがしにくいのですが、その中では「ニプロ」(ニプロ)/「DSEP」(第一三共エスファ)の2製品が、両面にレーザー印字(先発品を含め、他製品は刻印)を施してあり、視認性が向上しています。
「一包化をした場合の安全性向上」「他の薬との飲み合わせを調べる時の安全性向上」「ご自身の服薬管理錠の安全性向上」などのメリットを伝えるためには、(少しは)助けになるかもしれません。

●メトホルミン製剤の今後の動向(1)

この先のメトグルコ・メトホルミンをめぐる製品の動向の予測です。不確定要素も多いので、その点はご注意ください。
上の方で「後発品調剤率に追われている薬局は~」と書きましたが、「後発品率は、余裕があるよん♪」「メトホルミンは、あんまり出してる患者さんがいないよん♪」という羨ましい薬局は、今回「様子見」が正解になるかもしれません。
以前の記事でも書きましたが、大日本住友の戦略としては、次回、平成28年4月の薬価改定で、
メトグルコを最低薬価に落とす
と、目論んでいるようです。
現在でも0.3円差しかない薬価差が0になるということです。
これは、(メトグルコの前身のメルビンなき)現在の状況で、先発扱いグリコラン(日本新薬)9.6円と他の後発品(メデット他)9.6円と同じ構図です。
そして、現在、グリコランは「先発品でも後発品でもない医薬品」=後発品調剤率の分母にも分子にも組み込まれない、という宙ぶらりんの状態です。
ということで、来年4月には、メトグルコは分母から除かれるという状況が起こりうる、ということです。(あくまで可能性ですが。)
その状況になった時に、果たして後発品を維持していくメリットがどれだけあるでしょうか?(納入価に関しては、メトグルコよりもメトホルミンMTの方が安いのかもしれませんが…)
ということは、H27.7(来月)~H28.3の8ヶ月間、後発品の割合を耐えられる薬局は、来年3月のメトグルコ:メトホルミンMTの動向を見極めてから決める、ということでも悪くないのかもしれませんね。

●メトホルミン製剤の今後の動向(2)

さて、メトグルコのジェネリックが発売されたことで、今後、グリコラン及びそのGEの処方量はグンと落ちることが予想されます。
今後、予想される動きとしては・・・
 ・メトグルコのジェネリック(メトホルミンMT)との区別をより明確にするため、グリコランのジェネリック品が「メトホルミンGL」などに名称変更される(~平成28年3月までの動き?)
 ・(来年4月の薬価改定で薬価が横並びになった場合)現行のグリコランのGEが販売中止となる(グリコランだけは販売を継続?)
 ・(グリコランのみ販売が継続され、薬価が横並びになった場合)メトグルコ→メトホルミンMTへの変更だけではなく、グリコラン→メトホルミンMTへの変更が可能になる?
 ・メトホルミンGLが販売中止になり、グリコラン→メトホルミンMTへの変更が可能になった場合、メトホルミン「MT」の名称が不要になり、「メトホルミン」に戻る
などのことが予想されているようです。
ということで、メトグルコのジェネリックを採用・開封・変更する前に、参考にしていただけたらと思いますひらめきひらめきひらめき

コメント

  1. 来年のことを言うとオニが笑うと云うけれど…(2015夏)

    昨日、平成27年6月分後発医薬品が薬価収載されたばかりですが、早くも12月分~来年以降のジェネリック発売に向けた動きが始まっています。 ※以前もこんな題名の記事を書いた記憶があるし、今後も似たような題名の記事を書くことがあると思うので、年号+季節にしてみまし…

  2. より:

    メトグルコのGEに関しては、皆がみんな、同じ論調で、メーカーや卸に洗脳されている?と思うくらい怖くなっています。
    (1)患者負担はかわらない
    メトグルコ単独の患者さんはかわらないのでしょうが、当方の薬局の患者さんで試算したことろ、エクア2T+メトグルコ6T(分
    2)の患者さんは患者負担が安くなりました。薬局の持ち出しが大きいので、薬局的には損ですが
    (2)来年4月の薬価改定
    確かに予想通り、メトグルコが最低薬価に落ちれば、メトグルコは分母から除かれますが、グリコランやメジコンなどの例を参考にすると、メトグルコのGEは分母分子に残ることになる可能性があります。
    厚労省が80%!!などという数字を持ち出しているので、現状維持でいいはずはないのです。
    また、4月の直近3ヶ月の数字も大事なので、当方では、メーカーと卸の口車に乗らず、少しでもGE率を上げる方向で考えています。

  3. まきのり より:

    種さま、コメントありがとうございます(^^)
    (1)患者負担は変わらない
    ビルダグリプチン50mg2錠+メトホルミンMT250mg6錠 分2 の場合ですね。
    ・先発品の場合
    エクア50mg2錠 175.4円+メトグルコ250mg6錠 61.2円=236.6円=【24点】
    ・ジェネリックの場合
    エクア50mg2錠 175.4円+メトホルミンMT250mg「××」6錠 59.4円=234.8円=【23点】
    種さまの仰るとおり、1剤あたり1点の差が出ますので、3割負担の方で1ヶ月あたり月80円、1割負担の方で1ヶ月あたり月30円、安く済ませることができますね!
    これはあくまで、
    ・ビルダグリプチン50mg 2錠 分2+メトホルミンMT250mg6錠(1日4錠でも)分2
    の場合に差がつくのであって
    ・ビルダグリプチン50mg 2錠 分2+メトホルミンMT250mg6錠 分3
    の場合では、やはり差がつきませんね。
    こうした同じメトホルミン6錠の組み合わせの中で、負担金に差が出るのが、現行の保険請求制度の特徴ですよね。
    こうした組み合わせの方が多ければ、ジェネリックに変えていきやすいですし、この患者さんには、250mg錠+500mg錠という組み合せもご提案できますね。
    (2)来年4月の薬価改定
    種さまの仰るとおり、厚労省は医療費抑制の対策の1つとして、ジェネリック置き換え率80%を目標に掲げています。
    約55%と言われる現状の中で、危機感を持つべき数字だとは思いますし、仰るとおり、私たち薬剤師はジェネリックへの切り替えを勧めるべきだと思います。
    また、今回の大日本住友・メトグルコの対抗策は「ズルい」を飛び越えて「やり方が汚い!」とさえ思います。正直「こうした先発品は使いたくない」という思いもあります。
    ただ、今回の問題は「知っていたら採用しなかったのに」「それなら、少しでも患者さんに説明しやすいジェネリックを選んだのに」という点を知らせたいと思って記事にしました。
    ですので、種さまのジェネリック推進への意気込みは大変心強く感じます!
    ボクも、その心意気を見習って、頑張って行きたいと思います!
    これからも応援よろしくお願いします(^^♪