薬剤師の「集中」と「分散」が進む?

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かかりつけ薬剤師制度の準備は進んでいますか?
これだけ悪評の高かった加算も、過去に例を見ない気もしますが、日本薬剤師会をはじめ中医協のメンバーでは話がついていますので、とりあえずはこのまま進む流れとなるでしょう。

● かかりつけ薬剤師は「指導専門」に?

さて、この「かかりつけ薬剤師」制度にあたって、

・薬局薬剤師としての勤務が3年以上
・週32時間以上勤務
・当該薬局に半年以上在籍
・研修認定薬剤師等の研修認定を取得していること

という要件が定められています。
1つの薬局内において3〜5人の薬剤師が在籍しているところでも、パートなど時間条件を満たせない薬剤師を考慮すると、1〜2人が該当すればよい、という薬局も少なくないと思います。
「かかりつけ薬剤師」という加算ができた以上、経営サイドから考えれば「算定できるものは算定していきたい」となるのは当然です。
また、1年後にはかかりつけ薬剤師制度の利用ができていない薬局においては調剤基本料が50%に減算されてる規定が盛り込まれているので、否が応でもかかりつけ薬剤師加算は算定していかざるを得なくなります。
薬局内にかかりつけ薬剤師になれる薬剤師の数が限られるとなると、1つ考えられる役割分担として、かかりつけ薬剤師は「常に服薬指導をする薬剤師」ということが考えられます。
つまり、
 (1)受付・処方監査・残薬等確認薬剤師
 (2)調剤薬剤師
 (3)監査〜投薬補助薬剤師
 (4)かかりつけ薬剤師による「指導」
 (5)会計
 (6)薬歴記載
という流れです。
このうち、(4)でかかりつけ薬剤師が話を聞いている間に(6)のような薬剤師が隣で薬歴を同時進行で入力していたり、(3)の薬剤師が袋詰などを行っておく、という「流れ作業」も発生するかもしれません。
これまで受付〜調剤〜監査〜指導〜会計という流れを流動的に行っていた薬局でも、「表に出る薬剤師」と「調剤に専念する薬剤師」に分かれてしまう可能性があります。
ちなみに、「かかりつけ薬剤師加算」のためには、「かかりつけ薬剤師本人」が薬歴を記載する必要が出てくると思います…が、記録「補助」までは禁止されていないと思います…。補助ですが、最終的に「かかりつけ薬剤師の記録」と「認証」すればそれは…(´Д`)ハァ…

● 管理薬剤師にやめられたら困る!

今回の要件を見て、基準調剤加算を取得しにいく薬局も多いかと思います。24時間開局というハードルが外れ、逆に「取りやすくなった」という感じる薬局も少なくないようです。
ただし、この中で、管理薬剤師へのハードルが高くなりました。
 5年以上の薬局勤務経験、同一の保険薬局に週32時間以上勤務、当該保険薬局に1年以上在籍
の3つですが、1年以上在籍の要件が重くのしかかります。
つまり、基準調剤加算を算定している薬局においては、「管理薬剤師にやめられる(異動させる)と、再算定可能になるまで最長で12ヶ月かかる」ということになります。
これを避けるために、「かかりつけ薬剤師」になれない薬剤師、または、かかりつけ薬剤師になっている薬剤師でもメインで32時間を超える部分は、近隣の複数店舗(5〜6店舗なども?)を(形だけでも)「兼務」(=保険薬剤師としての登録)を行うことが考えられます。
こうしておくことで、万一、管理薬剤師が退職したり、管理薬剤師を異動させなければならない場合でも、複数の薬剤師が「在籍」していることになるため…ということですね…(´Д`)ハァ…

● 薬剤師の「集中」と「分散」が望ましいことなのか?

基準調剤加算を算定していない薬局でも、やはり、かかりつけ薬剤師の算定要件としては「半年以上在籍」という要件があるため、ある程度「兼務」はやはりリスクヘッジとして考えられることがあるかと思います。
こういう「抜け道」を用意しなければならない、というのは、薬剤師としては、本当に情けないことです。こういう対策を取る経営者に対しては軽蔑の思いもあります。一方で、そこから給料をもらう「サラリーマン薬剤師」としては、仕方ない部分もあるかなぁ、と思う部分もなきにしもあらずです…
薬剤師の職能を考えた場合、「かかりつけ薬剤師」への「集中」と、管理薬剤師/かかりつけ薬剤師をサポートする薬剤師の「分散」という2極化が望ましいとは思えません。こうした対応をしてしまう薬局が増えることで、次回の調剤報酬改定の際には、そうした「二極化」への批判を集めて、さらに息苦しい改定になってしまうことも考えられます。
そんなことは現場の薬剤師は一切望んでいないのですが…(´Д`)ハァ…
日医や日薬、厚労省とその天下り先のための調剤報酬に振り回されれずに、損得抜きに患者さんと向き合いたい!!と、声を上げたいですね!