EMPA-REGセンセーション!

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17日の欧州糖尿病学会(EASD 2015、ストックホルム、9月14~18日)で、メインイベントとも言われた「EMPA-REG OUTCOME試験」の結果報告がされ、一大センセーションとなりました。
EMPA-REG OUTCOME試験は、SGLT2阻害薬・ジャディアンス(エンパグリフロジン、ベーリンガーインゲルハイム)の心血管イベント発生リスクについての安全性を検討するために行われた試験です。
以前、「ベーリンガーの嘆き節が…」という記事で、お近づきになれた(と勝手に思っています(^o^;))糖尿病船橋市さまのブログでも「エンパグリフロジン(ジャディアンス)、EMPA-REG OUTCOME試験で2型糖尿病の心血管リスクを有意に減らした。」という記事でご紹介されている通り、「EMPA-REG OUTCOMでは予想以上に良い結果が出たようだ」ということが、以前から話題になっていました。
結果の詳細はすでに、The New England Journal of Medicine に掲載されています。
試験デザインとしては、
 ・糖尿病未治療(HbA1c 7.0~9.0%)または治療介入(7.0~10.0%)
 ・心血管イベントのリスクの高い患者
 ・エンパグリフロジン10mg:25mg:プラセボ=1:1:1の無作為割付
 ・主要評価項目:心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中
 ・2次的評価項目:主要評価3項目+不安定狭心症による入院
というものです。
さて、結果ですが、事前に伝えられていたように
 ・主要評価項目:エンパグリフロジン投与群(10mg/25mg)で、14%減少
 ・2次的評価項目:11%減少
 ・全死亡リスク:32%減少
 ・心血管死リスク:38%減少
と、心血管イベントのみならず、全死亡リスクを低減させる効果を持っていることが示された結果となり、センセーショナルな結果と評価されたようです。

(NEJMへの画像直リンです)
また、サブグループ解析によれば
 ・65歳未満<65歳以上
 ・白人系≒黒人系<アジア人
 ・BMI30以上<30未満
といった項目で、よりイベント発生が抑制されていることが分かります。
これらは、これまで一般的な「SGLT2阻害薬に向いている患者」、つまり
 ・壮年以下の男性
 ・BMIが高め
といったイメージと、まったく逆の患者像であると思われ、これまで、高齢者やヤセ型の患者さんへの処方をためらったり、薬剤師側から疑義照会をしてきた事が大転換を迎えることになるかもしれませんね。
なお、エンパグリフロジンの量(10mg/25mg)の間での有意差はつかなかったようです。
また、今回のEMPA-REG OUTCOMEでのエンパグリフロジンの心血管イベント抑制効果は、同じSGLT2阻害薬である、カナグリフロジン(カナグル、CANVAS試験)、ダパグリフロジン(フォシーガ、DECLARE-TIMI58)では“非劣性”の評価となる予想で、SGLT2-Iのクラスエフェクトとは言いがたい状況でもあるようです。
これから次第に、EMPA-REG OUTCOMEの結果について、解説がなされていくかと思いますが、しっかりとフォローして、SGLT2阻害薬の特性の違いを把握していきたいところですね。